seed of light


ジュエリーデザイナーのはじまり

ジュエリーデザイナー星 芽生さんとのコラボレーションで生まれた「seed of light」。芽生さんのデザイナーとしての道のりを伺ってみると、今回、お届けするダイヤモンドへの想いにつながるお話が聞けました。

 

平井:冠婚葬祭で使う数珠や袱紗、パールアイテムなどを手がける「shuo(シュオ)」のデザイナーでもある芽生ちゃん。ジュエリーに携わるようになったのはいつごろですか?

 

星:もともと母がジュエリーデザイナーをしていて、自宅に工房があり、彫金教室を開いていました。小さなころから母を通して、ジュエリーは身近な存在で。ただ、10代のころは写真や絵を描くことに興味があり、美大に進学したんです。文化祭で友人100人をつなげたいと思い、0から100のシリアルナンバー付きのシルバーリングを100本制作しました。そのとき、「アクセサリーをつくるって楽しいな」と感じたんです。

 

平井:素敵な思いつき! その経験がきっかけでジュエリーをつくり始めたんだね。

 

星:在学中のときから、母の工房を使わせてもらっていました。洋服が好きで、よく個性的なセレクトショップに通っていて、そこで店員さんと仲良くなり、楽しく会話しているうちに、お店に作品を置いてもらえるようになって。自然と、仕事につながっていった気がします。

「mina perhonen」の皆川 明さんとの出会いも大きかったです。皆川さん宛にお手紙を書いて、自分の作品と一緒に送ってみたんです。当時、私は鳥や花をモチーフにしたアクセリーをつくっていて、勝手に「mina perhonenに合いそう」だなと思っていて(笑)。でも、お返事をいただけなくて、同じ内容のお手紙を3通くらい出しました。それでもお返事が来なかったのでお店に行き、皆川さんとお話させてくださいと申し出て!

 

平井:人と会うのが好きで、物怖じせずに突き進む、芽生ちゃんらしい行動力です。

 

星:まさに、怖い物知らずの20代(笑)。そのときたまたま皆川さんがお店にいらして。「作品見ましたよ」って言ってくださり。それがきっかけで、ベルトのバックルを2シーズンつくらせていただきました。その後は、「Sally Scott」からもお仕事をいただくようになって、たくさんの経験をさせていただきました。

 

平井:人との出会いって、本当に大切ですよね。

数年前に他界されたお母様から譲り受けた工房。「同じ職業に就いたことで、母の偉大さを感じ、今では、自分の力になっています」と芽生さん。


ダイヤモンドとの出会い


星:美大を卒業して、フリーランスのアクセサリーデザイナーになってからは、お話をいただいたものは何でも挑戦する姿勢で10年以上活動を続けていました。そして、30歳を過ぎたころ、自分のやり方を一度見つめ直してみたんです。

 

平井:年齢を重ねて、ものづくりへの考え方が変わっていった感じなのかな。

 

星:20代のころは、求められたものを量産していくというのがベースにあって。年齢を重ねて、より良いものを誰かのために生み出していきたいと思うようになっていった気がします。お守りのようなジュエリーはできないかと考え、まずは、大人になった自分のために“ダイヤモンドのひと粒ネックレス”をつくってみました。寄り添うものって自分の一部になってくれるので、気持ちも上がってダイヤモンドが守ってくれているような気がしたんです。

 

平井:ステップアップするタイミングだった芽生ちゃんのモチベーションをダイヤモンドが上げてくれたんですね。芽生ちゃんの作品を見ていると、まさに身に着けている方の心も輝かせてくれているんだなと感じます。

 

星:そう思っていただけるのは、30代になって、一人ひとりに向き合い丁寧にジュエリーをつくりたい、という意識が強くなったかもしれません。リメイクをお引き受けするようになったのもそうですし、年齢と経験を重ねてきたからこそできることなのかなと思っています。

平井:「shuo」を始めたきっかけは何ですか?

 

星:30代後半になり、お葬式に出るシーンが増えたんです。そのときバタバタと慌てて自分らしくないスタイルで行くことがなんだか恥ずかしく感じて、それなら自分たちでブランドをやってみようと、美大時代からの友人、吉田直子さんと始めたのが「shuo」です。

 

平井:やっぱり芽生ちゃんはそのとき自分に必要なものを見極めて、それを転機にして、ずっと歩んできたんですね。最初のスタートが誰かのためではなく、まずは自分のためにというのが、地に足がついている気がしてとても共感できます。

 

星:確かにそうですね。振り返ると、歳を重ねるにつれ、苦手なことに対して「苦手なんです」というのが恥ずかしいと思い始め、まずは向き合うようにしてきました。ブランドを始めて3年目で会社にし、吉田さんと2人でコツコツ育み、いろいろな「経験」を通して厚みが出てきたように感じます。今の自分を形成するきっかけになりましたし、自然と皆さんの気持ちや暮らしに寄り添えているのかもしれません。

 

平井:「seed of light」を通してお届けするピンキーリングとピアスも手に取ってくださる方の心に寄り添える存在になれたらと願っています。

星 芽生

ジュエリーデザイナー。多摩美術大学デザイン科在学中にブランドを設立。2011年よりライターの吉田直子さんと「shuo」をスタート。2020年、6年ぶりに自身の個展も開催。リメイクジュエリーやブライダルも手がける。
Instagram @hoshi_meomi @shuo_official


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